日本学術会議の人事問題

日本学術会議の人事で菅総理が6名の任命を拒否したことで、メディアを中心に世間がざわついていますね。拒否された6名の過去の主張があれだけに、いろいろと憶測が飛び交っています。

 

菅総理の「総合的に、俯瞰的に」という理由も、なんだかふわっとした感じですしね。でも、一般的な人事の理由なんてそんなもんかなあと思います。

 

一方学術会議側の推薦理由はどうだったのでしょう。それは聞こえてきませんね。

どういう理由で推薦したのでしょうか。やっぱり「総合的に、俯瞰的に」ではないでしょうか。

 

学者の仕事は研究と後継者の育成です。自分がどれだけ論文を発表して、どれだけ他の論文に引用されたか。自分の指導の元で研究者がどれだけの論文を発表したか。また、他の論文に引用されたか。

 

学者の成績はこういったもので判断できると思うのですが、学術会議ではそういう成績をもとに推薦したのでしょうか。まさか、派閥から推薦みたいな政治的人事ではないことを祈りますが。

 

メディアは、政府の拒否理由は追求しますが、学術会議の推薦理由は追求していませんね。どうしてでしょうか。そういう疑問に応えるのもマスコミの役割だと思いますが、そのような疑問はもたないのでしょうか。

 

いずれにせよ、片一方のみを批判していても問題点がよくわからなくなります。

 

例えば、「推薦の方法がおかしいので、拒否した」とか、「推薦されたが基準を満たしていないので拒否した」といった理由があればいいと思うのです。であれば推薦した方の理由、拒否した方の理由がはっきりして誰もが納得すると思います。

 

人事なので特段の理由はない。それが「総合的、俯瞰的」でもいいのですが、それはそれでそいう説明があってもよくて、それが問題というのであれば、今後見直しが必要という課題が浮かび上がりますよね。

 

なんとなく今のままでは、問題の入り口で押し問答をして、問題の本質にたどり着かずに時間だけ浪費してしまう気がして残念です。